バイエル薬品と参天製薬、アイリーア®8mgのプレフィルドシリンジ製剤、 アイリーア®8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mLを新発売

大阪、2025年5月21日-バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、以下バイエル薬品)と参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下Santen)は本日、眼科用VEGF*阻害剤「アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL」[アフリベルセプト(遺伝子組換え)硝子体内注射液、以下、アイリーア®8mg]のプレフィルドシリンジ製剤、「アイリーア®8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mL」(以下、アイリーア®8mgプレフィルドシリンジ製剤) を発売したことをお知らせします。

 

* VEGF=血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor)

 

アイリーア®8mgプレフィルドシリンジ製剤は、新たな投与量設定機構「OcuClick®」を採用したプレフィルドシリンジであり、医療従事者のアイリーア®8mg硝子体内注射の準備を簡便化するのみならず、迅速かつ適切に投与できるようになります。また、バイアルからシリンジに薬剤を移し替える作業が不要となり、バイアル製剤である既存のアイリーア®8mgと比べて施術の効率化、医療従事者の負担軽減が期待できます。

 

アイリーア®8mgとアイリーア®8mgプレフィルドシリンジ製剤は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)1)及び糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応で承認を取得しています。これらの疾患に対する導入期後の維持期の治療において、アイリーア®8mgは「アイリーア®硝子体内注射40mg/mL(以下、アイリーア®)」に比べ有効性と安全性を維持しながら投与間隔を延長することが可能です。持続可能な疾患コントロールを実現することで、医療従事者ならびに患者さんの負担を軽減することができ、これらの疾患の新たな標準治療薬となることが期待されています。

 

アイリーア®8mgプレフィルドシリンジ製剤は、アイリーア®ならびにアイリーア®8mgと同様に日本国内での販売はSantenが行い、本剤の製造販売承認はバイエル薬品が保有します。医薬品情報提供活動は両社が共同で実施してまいります。両社は今後もアンメットニーズに応える製品の提供を通じ、網膜疾患領域における患者さんの生活の質の向上を目指した治療に貢献していきます。

<アイリーア®8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mLの製品概要> 

販売名:
アイリーア®8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mL
 

一般名:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)
 

効能・効果:
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
糖尿病黄斑浮腫
 

用法・用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として8mg(0.07mL)を4週ごとに1回、 通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調整するが、8週以上あけること。
 

発売日:
2025年5月21日
 

薬価:
146,286円
 

製造販売承認日:
2025年2月27日
 

製造販売元:
バイエル薬品株式会社
 

発売元:
参天製薬株式会社

<製剤写真>
アイリーア®8mg 製剤写真

【投与量設定機構(OcuClick®)付きプレフィルドシリンジの特徴】

アイリーア®8mgプレフィルドシリンジ製剤では、新たな投与量設定機構(OcuClick®)付きプレフィルドシリンジを採用しています。OcuClick®には、以下のようなメリットが期待されています。

  • 投与前の準備作業の簡略化:バイアルからシリンジに薬剤を移し替える作業が不要です。シリンジに標線が表示されていないため、シリンジを投与量の標線に合わせるプライミング作業は必要ありません。使用方法の手順に従うことで、1回投与量である0.07mLの設定が可能です。
  • 必要な投与量を適切に投与:1回投与量である0.07mLの設定完了後のみ、硝子体内への注入を可能とする仕組みを備えています。使用方法の手順に従うことで、適切な量が投与されます。

【nAMDおよびDMEについて】

新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数か月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億7,000万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています2)。AMD患者の約10%が進行型であるnAMDを発症しています3)

 

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており4)、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,700万人と推計されています5)

1)中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性は、一般的に新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)として知られる。
2)Khachigian LM, et al. J Transl Med 2023;21:133.
3)Morris B, et al. Postgrad Med J 2007;83:301–307.
4)WHO. 2019. World Report on Vision. Available at: https://www.who.int/publications-detail/world-report-on-vision.
5)Cheung N, et al. Eye (Lond) 2020;34:999–1002.

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。
 

Santenについて

Santenは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしています。
詳細については、当社ホームページhttps://www.santen.com/jaをご参照ください。



バイエル薬品株式会社、参天製薬株式会社
2025年5月21日、大阪

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。