- 網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の治療薬として、アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mLについて厚生労働省へ承認申請
- 国際共同第Ⅲ相QUASAR試験の良好な結果に基づいて申請
- アイリーア®8mgは、アイリーア®2mgの4週間ごとの投与群と比較して、より少ない投与頻度で視力改善における非劣性を示した
バイエル薬品、アイリーア®8mgの網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の適応について、日本での承認を申請
大阪、2025年5月9日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:イン・チェン、以下「バイエル薬品」)は、本日、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、半側網膜静脈閉塞症を含む、網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の治療薬として、アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg)硝子体内注射液114.3mg/mLについて承認申請したことをお知らせします。日本においてアイリーア®8mgに対する3つ目の適応となり、アイリーア®のブロックバスターとしての地位を裏付ける可能性があります。
厚生労働省への承認申請は国際共同、無作為化、二重遮蔽、実薬対照の第III相QUASAR試験から得られた良好な結果に基づいています。本試験は日本を含む27の国または地域において、RVO患者を対象に実施されました。本試験では36週目に設定した主要評価項目が達成され、アイリーア®8mgを8週間ごとに投与された患者群[投与開始3回目もしくは5回目まで4週間ごと]は、現在の標準治療であるアイリーア®2mg(アフリベルセプト2mg)を4週間ごとに投与された患者群に対し視力の変化量において非劣性を示しました。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門リーダーシップチームメンバーで、エグゼクティブバイスプレジデントグローバル製品戦略&コマーシャリゼーション責任者のクリスティーン・ロスは次のように述べています。
「バイエルの眼科領域にとって日本は重要な国であり、今回の申請は、網膜静脈閉塞症における患者ケアの改善に向けた重要なステップです。本適応においてアイリーア®8mgが承認されれば、投与間隔の延長により、網膜静脈閉塞症の患者さんにとって頻回な注射や通院の負担を軽減する可能性があります」
QUASAR試験では、アフリベルセプト8mgを投与された患者の約90%が投与間隔を8週に延長し、36週目まで維持しました。アフリベルセプト8mgを投与開始3回目までは4週ごと、その後は8週ごとに投与し、治療効果に応じて投与間隔を調節する群において、約70%の患者は最終投与間隔が12週であることが示されました。疾患コントロールの指標である滲出液の減少に関して、アフリベルセプト8mgで8週間に投与間隔を延長した場合においても、アイリーア®2mgの4週間ごとの投与と同様の結果が得られました。さらに、アフリベルセプト8mgの忍容性は良好であり、安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一貫していました。
アイリーア®8mgは、これまでに血管新生(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応症において50以上の国又は地域で承認されています。またそれ以外の国々でもアイリーア®8mgの承認申請が進行中です。
アイリーア®8mgは、欧州連合および英国において、nAMDおよびDMEの両適応に対して、最長5か月までの投与間隔の延長が承認された唯一の抗血管内皮増殖因子薬(抗VEGF薬)です。2025年2月、バイエル社はPULSAR試験およびPHOTON試験の臨床データに基づき、アイリーア®8mgのnAMDおよびDME治療における投与間隔を最長6か月に延長する申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出しました。
バイエル社とリジェネロン社は、アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg; 米国ではEylea®HD)の国際共同開発を行っています。リジェネロン社は、米国におけるアイリーア®2mg(アフリベルセプト2mg)およびEylea®HDの独占的権利を保持しています。バイエル社は米国以外での独占販売権を有し、両社はアイリーア®2mgおよびアイリーア®8mgの販売による利益を均等に分配しています。
【RVOについて】
RVOは慢性疾患で、現在、世界全体で2,800万人の成人が罹患しており、突然の急速な視力喪失に至る可能性があります。RVOには、大別して網膜中心静脈閉塞症(CRVO)と網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の2種類があります。CRVOは、網膜中心静脈に閉塞が起こることで発症します。BRVOは細い網膜静脈分枝が閉塞するもので、CRVOの6倍も多くみられます。RVOは網膜への酸素供給量を低下させ、血管内皮増殖因子(VEGF)および胎盤増殖因子(PlGF)の産生を増加させます。静脈が閉塞すると、滲出液と血液が網膜に漏出し、その結果、視力に関与している網膜の中心部である黄斑に浮腫が生じます。この浮腫は黄斑浮腫と呼ばれ、VEGFはこの病態の促進に重要な役割を果たしています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2025年5月9日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。