本資料は10月19日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

投与3年目における糖尿病黄斑浮腫に対するアイリーア®8mgの投与間隔を延長した長期的な有効性と安全性プロファイルを確認

  • PHOTON試験の非遮蔽延長試験の結果、アイリーア®8mg投与群に無作為に割り付けられた糖尿病黄斑浮腫(DME)患者では、投与3年目時点でも視力および解剖学的改善を維持していることが示される
  • 大多数の患者は投与3年間を通じて3カ月以上の長い投与間隔を達成
  • 投与3年目終了時点において、最終投与間隔が5カ月以上であった患者の割合は45%、6カ月であった患者の割合は25%
  • アイリーア®8mgの長期安全性プロファイルは、投与3年目もこれまでと一貫していた

ベルリン、2024年10月19日 ― ドイツ・バイエル社と提携パートナーであるリジェネロン社は、糖尿病黄斑浮腫(DME)患者を対象としたPHOTON試験の非遮蔽延長試験の投与3年目の結果を、10月18日~21日に米国シカゴで開催された米国眼科学会年次総会のレイトブレイキングセッションで発表しました。アイリーア®8mg投与群に無作為に割り付けられた患者では 、投与3年目時点でもベースラインからの視力および解剖学的改善を維持しており、大多数の患者は3 カ月以上の投与間隔を維持しました。投与3年目終了時点において、最終投与間隔が5カ月以上であった患者の割合は45%、6カ月であった患者の割合は25%でした。注目すべきは、アイリーア®2mgからアイリーア®8mgに切り替えた患者では、初回のアイリーア®8㎎投与後の滲出液の再貯留の速度がアイリーア®2mgを投与していた場合と比較して、大幅に遅いことが示されたことです。アイリーア®8 mgの安全性プロファイ ルは3年目もこれまでと一貫していました。

 

米国スタンフォード大学Byers Eye Instituteの眼科教授およびクリニカルアフェアーズのバイスチェアであるダイアナ・ド博士は次のように述べています。「これらの長期結果は前例のないもので、アイリーア®8 mg が実際の臨床と同様の環境下において、大多数の患者さんに対して治療間隔を延長しながら持続的な疾患コントロールを実現していることを示しています。肯定的なデータに基づき、アイリーア®8 mg は糖尿病性黄斑浮腫の新たな標準治療になる可能性があります」

 

ドイツ・バイエル社グローバル製品戦略・コマーシャライゼーションのエグゼクティブバイスプレジデ ントであり、医療用医薬品部門リーダーシップチームのメンバーであるクリスティーン・ロスは、 次のように述べています。「アイリーア®8mgは、糖尿病黄斑浮腫患者さんの投与間隔を延長するという、アンメットニーズに真に応えるものです。これにより患者さんの疾病負担を軽減し、治療アドヒアランスを向上させ、眼科診療におけるキャパシティーの制約が緩和されるでしょう」 

 

アイリーア®8mgは、すべてのDME患者の治療間隔を延長する可能性があります。最高矯正視力 (BCVA)の平均変化量で評価した有効性は、延長試験開始時(ベースライン:96週目) と比較して、3年目(156週目)を通してすべてのアイリーア®8mg投与群で維持されました。 

 

アイリーア®8mgの安全性プロファイルは3年目も一貫して、アイリーア®2mgの確立された安全性プロファイルと一致しています。長期安全性データでは、アイリーア®2mgからアイリーア®8mgへの切り替えた患者を含め、いずれの投与群においても新たな安全性シグナルは認められませんでした。眼科治療における緊急を要する有害事象の発生率は、すべての投与群で同程度であり、閉塞性血管炎の症例は報告されませんでした。眼内炎の発生率は投与3年間を通じて低値でした(アイリーア®8mgに切り替えた投与群では1.4%、ベースラインでアイリーア®8mgに無作為に割り付けられた投与群では1.5%)。

 

PHOTON試験から得られたこれらの長期データは、アイリーア®8mgの持続的な有効性と安全性を示しています。これは現在の標準治療であるアイリーア®2mg と同様の有効性と安全性を有しており、患者さんや眼科医にとって疾患負担が軽減されることを意味するものです。

 

アイリーア®8mgは、EU、英国などの主要市場において、DMEおよび新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)の投与間隔が最長5カ月であることが承認されている唯一の抗VEGF治療薬です。

 

アイリーア®8mg(アフリベルセプト8mg、米国ではアイリーア®HD)は、バイエルとリジェネロン が共同開発しています。リジェネロンは、米国におけるアイリーア®2mg(アフリベルセプ ト2mg)およびアイリーア®HDの独占的販売権を保持しています。バイエル社は米国以外での独占的販売権を有し、薬事承認取得後のアイリーア®2mgおよびアイリーア®8mgの販売 による利益は両社で均等分配されます。

【PHOTON延長試験について】

今回の非遮蔽延長試験の目的は、糖尿病黄斑浮腫(DME)患者を対象に、96週目から 156週目までのアイリーア®8mgの長期的な有効性、安全性、および持続性を評価することでした。アイリーア®2 mgによる治療を受けていた患者は、アイリーア®8 mgに切り替えることができ、直ちに12 週間の投与間隔に割り付けられました(初回の月1回の投与は不要)。96週目までアイリーア®8mgで治療を受けていた患者は、前回割り当てられた投与間隔を継続しました。疾患活動性は108週目まで4週間ごとに経過観察され、その後は12週間ごとに継続されました。疾患活動性は、臨床的な観点から患者の状態に応じた用法変更(DRM)基準に準拠し評価されました。疾患活動性のない患者では、治療間隔は2週間ずつ延長され、最長24週間(6カ月)まで延長が可能でした。疾患活動性のある患者では、投与間隔は2週間ずつ短縮され、最小間隔は8週間(2カ月)までの間隔が設定されました。

【nAMDおよびDMEについて】

新生血管型(滲出型)加齢黄斑変性(nAMD)は急速に進行する眼の疾患であり、治療を行わずに放置すると、数カ月で視力の喪失に至る可能性があります。nAMDは世界中で、回復不可能な失明や視力障害の主な原因の1つとなっています。nAMDは加齢の影響を受ける可能性があります。異常な血管が新生し、中心視力を調節し鮮明な視力を維持するのに深く関わる黄斑下に滲出液が漏出することで起きます。この滲出液は黄斑に傷をつけ損傷させることで、視力低下を引き起こします。世界で1億7,000万人が加齢黄斑変性(AMD)を発症しており、2040年までには2億8,800万人に増加すると予測されています。AMD患者の約10~15%が進行型であるnAMDを発症しています。

 

DMEは、糖尿病患者によく見られる眼の合併症です。高血糖の状態が眼内の血管を傷つけ、滲出液が黄斑内に漏出することで発症します。視力低下を引き起こし、場合によっては失明に至ります。世界で1億4,600万人が糖尿病網膜症を発症しており、より深刻な疾患であるDMEを引き起こす可能性があります。DMEの患者数は、世界で約2,700万人と推計されています。

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2024年10月29日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。