現代女性が、望むライフプランを実現するために知っておくべきこと
日本では未だに避妊や月経について話すことにタブー意識が強いと感じますが、どのような意識改革が必要でしょうか?
若い人たちの意識を変えるために、教育現場から変わっていく必要があると感じます。
ひと昔前だと、月経について教えるときは男女で部屋を分けて授業をしていたこともありましたから。
男女ともに、避妊や月経に対する正しい知識を得る機会が必要です。「風邪気味なんです」と話す様な感覚で、「今日は生理(月経)なんです」と言える世の中になると良いですね。
“避妊”とも関わりが深い言葉かと思いますが、"予定外妊娠"について教えて頂けますか?
"予定外妊娠"は、「妊娠の希望の有無にかかわらず、予期せず妊娠すること」です。「望まない妊娠」という意味ではありませんし、「今は妊娠を予定していなかったが、妊娠したため産む」というケースも含まれます。"予定外妊娠"は、若い人にとっては、学業や仕事を辞めざるを得ない、就職・復職が困難など経済的な負担が大きく、貧困や虐待、離婚につながる場合もあって、問題は深刻です。
そして、"予定外妊娠"は、各家庭の状況だけでなく、経済的・社会的にも影響を及ぼす可能性があります。「日本における予定外妊娠の医療経済的評価」
もし、先で述べたような現代的避妊法のような避妊失敗率の低い避妊法が選択される機会が10%増加したら、中絶や出産など予定外妊娠関連費用の関連総額は約171億円削減される、という試算があります。
それはとても大きな金額だと思いませんか?
では、計画的な妊娠・出産を含め、女性がライフプランを考えるために意識するべきことはありますか?
妊娠・出産については、避妊について正確な知識を持つことです。情報があふれかえっている昨今、正しい情報を選別することは困難かもしれませんが、「知ろうとすること」が大切です。
まずは「関心を持つ」、次に「見分ける目を持つ」ことですね。知識がないというのは恐ろしいことですから。信頼のおける情報ソースを見つけて内容について考えたり、自分の体調に目を向けるようになったりすると、その先の行動にもつながります。そして、避妊を男性任せにしないこと。妊娠するのは女性なのですから、避妊に対する主体性を持ち、自分でできることは自分でやりましょう。
それから、女性は「閉経前と閉経後で、人生を二度送る」と言われています。閉経前は子宮頸がんや乳がんが多く、閉経後は子宮体がんや卵巣がんが多いという具合に、女性特有の病気は、その時のホルモンの状況と関連するもの。女性の体について、ご家族やお友達ともオープンに話し、情報を共有するのも良いと思いますし、私たち産婦人科医師に相談して頂いても構いません。
ぜひ、ライフステージを通じて、「自分の健康は自分で責任を持つ、自分で管理する」、という意識を持ってほしいですね。