かがやきスクールプロジェクトメンバー
女性の健康増進プロジェクト「かがやきスクール」
~将来を担う皆さんに知ってほしいこと~(後編)

未来の社会に貢献する「かがやきスクール」

木戸口

「かがやきスクール」では、授業の前後に生徒や教員の皆さんへアンケートを行っています。身体の不調を誰に相談するかたずねた授業前のアンケートでは、「医師や学校の先生・カウンセラーなどの専門家」と答えた方は4%しかいませんでした。一方、授業後のアンケートでは、症状があれば74%の方が婦人科を受診すると回答しています。また、月経困難症は医療機関で治療できることの認知度は授業前の約2.5倍に。“婦人科は、妊娠や出産をするところ”というイメージ自体が変わったという声もありました。

月経に関する悩みや疑問があったとき、 誰に相談しましたか?

2015年~2020年実施かがやきスクール受講前調査(回答者数:女性生徒35,604人)

授業後アンケート結果

2015年~2020年実施かがやきスクール受講後調査(回答者数:女性生徒25,508人)

「月経痛や月経不順、無月経、過多月経は病院で治療できること」 をよく知っている/理解できましたか?

2015年~2020年実施かがやきスクール受講前調査(回答者数:男女生徒43,563人)
2015年~2020年実施かがやきスクール受講後調査(回答者数:男女生徒41,466人)

図表内のパーセンテージは小数点第1位で四捨五入の丸め計算を行っていますので、合計が100%にならない場合があります。

石崎

女子生徒だけでなく、男子生徒からも反響がありますよね。授業の後に、“女の子を大切にしようと思う”という回答を見ると、とても嬉しく思います!
当社でも10月19日の「国際生理の日」に向けて、アンケート調査を行いました。以前と比べて月経について情報を得られやすくなったとか、話しやすい環境になったなどポジティブな意見が多かったです。https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2021/1012.html

青柳
実際の授業でも、多くの男子生徒さんが先生に質問するシーンがみられますね。女子生徒さんや、自分の妹がつらい時などの対応を聞いたり、女性の健康やカラダについて“自分ごと”として捉える姿に希望を感じます!
木戸口
こういった授業は男女別々で受けるというのが従前のやり方でしたが、「かがやきスクール」が考える女性の健康は、単なる性教育ではなくライフプランに関わってくる問題として、男女で共に学ぶことを大切にしています。

教員向けセミナーで、教師と生徒の距離を縮める

青柳
個人的には生徒さんと先生が重要視する女性の健康問題には、開きがあるように思います。女性のカラダについて、包括的な知識が必要とされていますが、避妊や性感染症について重要視される場合も少なくありません。新型コロナウィルスの流行による自粛期間が続いたことで、望まない妊娠などの相談が増えているという実情もありますが、生徒さんは月経トラブルを中心とした身近な問題についての情報を求めていることが多いと感じています。
木戸口
「かがやきスクール」では、教員向けの授業実施サポートもしていますね。
青柳
今年は、教員向けセミナーをオンラインに切り替えたところ、全国から900名を超える応募がありました!健康教育の事例紹介など、現場で生かせる情報が提供できればと考えています。
石崎
当社のプロジェクトの中でも、先生方から健康教育における学校現場の課題を聞く機会がありました。先生側でも知識の偏りがあるのかもしれません。たとえば、教育に従事している経歴や男性の先生だと女子生徒に教えにくいなど事情があると思います。「かがやきスクール」では産婦人科医の宋美玄先生に協力いただいた動画や、保健室向けのチラシなど、直接話しづらいことをサポートするようなツールも用意されているので、ぜひ先生方に活用していただきたいですね。
青柳
より多くの学校で健康教育を実施するためには、先生方へのサポートが大切だと思うので、今後もこういった機会を継続していければと思います。
木戸口
先生はもちろん、さらに多くの企業や団体ともパートナーとして連携していけるといいですね。

正しい知識を得て、豊かな人生を生きる!

正しい知識を得て、豊かな人生を生きる!
木戸口
お話してきたように、大人たちにもまだまだ知っていただきたいことがたくさんあります。「かがやきスクール」では、学校側のご協力が得られた場合には保護者の皆さんも参観可能としています。
 授業後に、家庭で月経の話ができるようになったとか、親子で婦人科に予約をしたという話を聞くとうれしく思います!
青柳
適切なタイミングで婦人科受診ができるよう、必要な知識を身につけていただきたいですね。月経や女性のカラダの変化は、個人によって大きく異なりますから。自分がつらいと感じたら、症状を我慢する必要はありません!正しい知識を身に着けて、将来の人生設計やキャリアプランを実現していってほしいです。
石崎
今の自分のカラダを知る、これからカラダがどう変化するのかを知る、などいろんな「知る」に興味を持ってもらいたいです。そして、10年後20年後、その先の自分がどうありたいかを少し考えてみることも大切だと思います。その夢をかなえるためにぜひ健康を大切にしてほしいです。月経があることで、女性が快適に過ごせるのは、1ヶ月のうちたった1週間といわれています。そして、痛みや違和感は、カラダからのサイン。どうか、多くの知識を吸収して、月経やカラダの変化への自分なりの対処法を見つけてみてください。また、世の中には月経に関する情報が多々ありますが、その信憑性についても考えてみてほしいです。そのために「かがやきスクール」では、医療監修の情報を提供していますので、ぜひみなさんの健康に役立てていただきたいです!
かがやきスクール

2014年にバイエル薬品株式会社の社会貢献活動の一環としてスタート。現在は、バイエル薬品やオムロンヘルスケア、マルホなどの複数企業で運営する”女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」”が主催しています。男女ともに自身が望む人生設計やキャリアプランを実現するため、女性特有の疾患やライフステージの変化について正しく理解してもらうことにより、女性の健康と活躍を支援する環境づくりに寄与することを目的としています。授業には男子生徒の参加も推奨しており、過去7年間の継続した取り組みにより授業実施高校は、全国で延べ192校、授業を受けた高校生は52,000人以上(男女比3:5)となりました。(2021年7月までの実績)
また「かがやきスクール」ウェブサイトでは、高等学校における健康教育への取り組みを支援するため、学校の授業で使用できる「かがやきスクール」基本スライド集や、高校生による婦人科訪問取材の動画などさまざまな資材を提供しています。

かがやきスクール

オムロン ヘルスケア株式会社

「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、家庭向けの健康機器や医療機関向け機器の製造・販売、健康増進サービス等を提供。血圧計ではグローバルシェアNo.1であり、遠隔診療サービスの提供も進めて始まっている。また女性の健康をサポートするため、2009年よりプロジェクト「オムロン式美人」を立ち上げ。中高生を対象としたヘルスリテラシー向上を目的とした健康教育や女性だけではなく同僚や上司の男性にも同じ知識をもってもらい、働きやすい相談しやすい環境づくりといった職場コミュニケーションの活性化に繋げるための企業向けセミナーの実施に取り組んでいる。

オムロン ヘルスケア株式会社 https://www.healthcare.omron.co.jp/

オムロン式美人 https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/

 

 

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