かがやきスクールプロジェクトメンバー
女性の健康増進プロジェクト「かがやきスクール」
~将来を担う皆さんに知ってほしいこと~(前編)

今年で7年目を迎えた、女性の健康をサポートする「かがやきスクール」。現在までに、全国192校、のべ52,000人以上(男女比3:5、2021年7月までの実績)の生徒の皆さんに、女性の身体の変化や、それらのライフデザインに与える影響について情報を提供してきました。今回は、「かがやきスクール」を支える3名に、プロジェクトについてお聞きしました。
※ 「かがやきスクールとは」

木戸口 結子 さんバイエルホールディング株式会社
執行役員/広報本部
木戸口 結子 さん

20年以上、製薬産業に従事し、2020年より現職。14年、女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」を企画し、現在までに5万人以上の男女高校生が受講。このほか様々な企業や専門家などとともに女性の活躍推進を支える健康支援策や医療政策の提言・啓発活動に携わる。

 

青柳直美さんバイエル薬品株式会社
MAC/スペシャリティケアマーケットアクセス&渉外
青柳 直美 さん

2012年にバイエル薬品に入社し、循環器領域と婦人科領域でMRを経験後、昨年末からマーケットアクセス本部に所属。婦人科/眼科/血液領域で、政策提言や啓発活動、患者支援活動などを通じて、患者さんの治療へのアクセス向上に取り組んでいる。「かがやきスクール」プロジェクトを担当。

 

石崎 恵 さんオムロン ヘルスケア株式会社
グローバルコミュニケーション統轄部
広報部 / オムロン式美人 プロジェクトリーダー
石崎 恵 さん

2009年からスタートした女性の健康をサポートするプロジェクト「オムロン式美人」を担当し、ライフステージに寄り添い女性をエンパワーメントするための啓発活動をおこなっている。活動を通じて得た知識を若い世代や毎日を忙しく過ごしている女性たちに伝えたいという想いで、中高生向けの健康教育や企業向けセミナーを企画。女性一人ひとりがすこやかな毎日を過ごせるよう健康機器やサービス、情報提供を積極的におこなっている。

「かがやきスクール」立ち上げのきっかけ

「かがやきスクール」立ち上げのきっかけ
木戸口さん
(以下、木戸口)
ヨーロッパの多くの国では中高生は、月経がはじまると婦人科に行くことが一般的です。月経不順や体調不良がなくても、友人同士で学校帰りにクリニックに寄る姿を、仕事を通じて知りました。セクシャリティ教育は、小学校前からはじまりますし、社会科見学で婦人科クリニックを訪問することも。ずいぶん日本の状況とは違いますよね。
月経は、女性の生き方に大きな影響を与えます。月経による体調不良が、学業や仕事を通じ、将来までも揺るがせてしまう。女性のカラダについて正しい知識を持っていれば、よりアクティブに、活動的な日々を送られるだけでなく、将来の目標や夢の実現に、またワークライフバランスの実現に向けて、より主体的に女性が自分の人生をマネジメントできるようになるはずです。そのためには成人女性への啓発のみならず、思春期からの教育が欠かせないと考えました。従来の性教育を超えて学ぶ機会の必要性を感じたのが、プロジェクトを立ち上げるきっかけになりました。
青柳さん
(以下、青柳)
月経の話をすることに抵抗がある方は、まだまだ多いですよね。きっかけがないと、自分の中で問題視できないという気持ちもわかります。かくいう私も、同期入社の友人と月経痛に関して話題になったことがきっかけとなり、自身も婦人科を受診しました。ピルを服用してからは、毎月の生理痛が楽になりましたよ。痛みや不快感への対処法を知っているかいないかで、生活の質やパフォーマンスは大きく変わります。一方で、“生理痛は我慢するものと思っていた“”治療できることを知らなかった“という高校生は多く、知識がないために我慢を強いられているケースも多く耳にします。そんな状況を変えることができるのが、「かがやきスクール」だと思うんです。次代を担う高校生が自身の健康やこれからのキャリアに対して知識を身につける機会としていただきたいと考えています。
木戸口
プロジェクトをはじめた2014年当時は、学校の先生方も健康教育=避妊や性感染症など、狭い範囲をイメージしていることが多かったように思います。「かがやきスクール」では、より包括的な女性の健康教育をめざし、月経だけでなくホルモンや妊孕性※(にんようせい)、女性特有の疾患についても情報提供しています。高校生をターゲットにしているのも、自分のカラダや将来について主体的に考え、行動が起こせる年齢だと考えているからです。
※妊娠するための力
「かがやきスクール」立ち上げのきっかけ
石崎さん 
(以下、石崎)
私たちもバイエル薬品と同じ想いがありました。当社では、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」というミッションのもと、皆様の健康に寄り添った商品やサービスを提供しています。健康であることは、いつの時代もどの世代もかわることのない世界共通の人々の願いです。この「かがやきスクール」というプロジェクトは当社の考えとも非常にマッチしていると感じました。特に出張授業等で、生徒さんに直接指導が行われている点でも魅力を感じましたね。当社も2017年から中高生に向けた健康啓発活動として、㈶日本学校保健会様と医学博士/産婦人科医の対馬ルリ子先生協力のもと、男女一緒にカラダのことを学べる「未来はカラダからだ」という補助教材を作成し、全国に配布しています。また、各学校の先生向けに指導用PPTも制作し、これまで延べ1000校以上で使っていただいています。ですが、直接学校に出向くことができるのは限られるので、より多くの生徒に伝えられる素晴らしいプロジェクトだと思っています。

「かがやきスクール」の運営で感じた問題は?

石崎
プロジェクトへの参加当初は、やっと“女性の活躍推進”という言葉が聞かれるようになった時代。私自身も生理のしくみに対する理解が浅く、学校で学んだのは中学校が最後で、生理痛がひどくても我慢するものと認識していました。母からも婦人科に行ってみようとは言われなかったですね。考えてみれば、母の知識は祖母世代から受け継いだもの。生徒の知識だけでなく、大人も現代ならではの知識が不足していると感じましたね。情報のアップデートが必要です。
木戸口
痛みは出産の予行練習とか、ピルはよくないといった大人の偏見もいまだにあります。
青柳
生徒の皆さんは、月経痛や無月経を放っておくことのリスクや、加齢とともに起こる妊孕性の低下など、将来に大きな影響を及ぼす症状について理解があいまいであることを感じます。月経痛などは不妊につながる場合もありますし、いつまでも妊娠、出産できると誤解されている方も多いです
かがやきスクール

2014年にバイエル薬品株式会社の社会貢献活動の一環としてスタート。現在は、バイエル薬品やオムロンヘルスケア、マルホなどの複数企業で運営する”女性の健康教育推進プロジェクト「かがやきスクール」”が主催しています。男女ともに自身が望む人生設計やキャリアプランを実現するため、女性特有の疾患やライフステージの変化について正しく理解してもらうことにより、女性の健康と活躍を支援する環境づくりに寄与することを目的としています。授業には男子生徒の参加も推奨しており、過去7年間の継続した取り組みにより授業実施高校は、全国で延べ192校、授業を受けた高校生は52,000人以上(男女比3:5)となりました。(2021年7月までの実績)
また「かがやきスクール」ウェブサイトでは、高等学校における健康教育への取り組みを支援するため、学校の授業で使用できる「かがやきスクール」基本スライド集や、高校生による婦人科訪問取材の動画などさまざまな資材を提供しています。

かがやきスクール

オムロン ヘルスケア株式会社

「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、家庭向けの健康機器や医療機関向け機器の製造・販売、健康増進サービス等を提供。血圧計ではグローバルシェアNo.1であり、遠隔診療サービスの提供も進めて始まっている。また女性の健康をサポートするため、2009年よりプロジェクト「オムロン式美人」を立ち上げ。中高生を対象としたヘルスリテラシー向上を目的とした健康教育や女性だけではなく同僚や上司の男性にも同じ知識をもってもらい、働きやすい相談しやすい環境づくりといった職場コミュニケーションの活性化に繋げるための企業向けセミナーの実施に取り組んでいる。

オムロン ヘルスケア株式会社 https://www.healthcare.omron.co.jp/

オムロン式美人 https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/

 

 

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