米国食品医薬品局(FDA)が、バイエルのHYRNUO™(セバベルチニブ)に対し、治療歴のある進行型HER2遺伝子変異陽性非小細胞肺癌を優先審査品目として承認

本資料は11月20日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • FDAの優先審査品目に指定され、HER2標的療法による治療未経験の患者における71%の全奏効率(N=70)が示された第I/II相SOHO-01試験に基づき承認
  • SOHO-01試験は、セバベルチニブの有効で持続的な抗腫瘍効果と管理可能な安全性プロファイルを示す
  • HER2遺伝子変異NSCLCは一般的に予後不良であり、治療選択肢が限られている

ベルリン、2025年11月20日 ― ドイツ・バイエル社は本日、HYRNUO™(セバベルチニブ水和物、以下「セバベルチニブ」)について「成人のヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(human epidermal growth factor receptor 2: HER2)遺伝子変異陽性を有する局所進行又は転移性非扁平非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer: NSCLC)」を効能又は効果として、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)に優先審査品目に指定され、迅速承認されたことをお知らせします。本適応症の対象は、全身療法の前治療歴があり、FDAが承認した検査によってHER2活性化変異が検出された患者さんとなります。セバベルチニブは、経口投与可能な可逆的チロシンキナーゼ阻害剤(tyrosine kinase inhibitor: TKI)です。

 

SOHO-01試験の治験責任医師であるテキサス大学MDアンダーソンがんセンターのXiuning Le氏は次のように述べています。「FDAの承認により、治療法が限られているHER2遺伝子変異陽性NSCLC患者さんに新たな治療選択肢を提供し、標準治療の向上につながる可能性があります。SOHO-01試験の結果は、セバベルチニブが有効であり、管理可能な安全性プロファイルを有することを示しました」

 

今回のFDAによる迅速承認は、第I/II相SOHO-01試験により示された進行型NSCLC患者における全奏効率(overall response rate: ORR)および病勢進行までの期間(duration of response: DOR)のデータに基づくものです。本試験の患者群は、HER2活性化変異を有し、進行した病気に対して1回以上の全身療法を受けた患者さんです。迅速承認制度の下で承認されたセバベルチニブの本適応症については、現在実施中の検証的臨床試験において臨床的有効性を確認することが条件とされています。

 

第I/II相SOHO-01試験の結果は、HER2標的療法未治療の被験者に対してORRは71%(95% CI: 59%-82%, N=70)を示しました。そのうち、2.9%の被験者が完全奏効を示し、69%の被験者が部分奏効を示しました。DORにおいては、中央値が9.2ヵ月(95% CI, 6.3–15.0, N=50)でした。また、試験の中止率は3.7%で、管理可能な安全性プロファイルを示しました。安全性解析対象集団の結果では、最も多くみられる副作用(> 20%)は、下痢(87%)、発疹(66%)、爪周囲炎(33%)、口内炎(29%)および吐き気(21%)でした。

 

SOHO-01試験の良好な結果は、欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology: ESMO)2025にて発表され、同時にNew England Journal of Medicineにも掲載されました 。

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「世界的に、毎年最大84,000人がHER2変異を有するNSCLCと診断されています。バイエルでは、がん研究開発においてプレシジョンメディシンに重点を置き、革新的な治療法の開発を通じて、アンメットニーズに応えることを目指しています。今回の承認取得は、このアプローチを具体化し、進行型HER2遺伝子変異NSCLC患者に特化した治療選択肢を提供できるようになります。このマイルストーンは、がん患者さんのアウトカムの向上および生存期間の延長に寄与し、がん治療にイノベーションを促進するという私たちの揺るぎないコミットメントを反映しています」

 

2024年には、米国FDAと中国医薬品評価センター(Center for Drug Evaluation: CDE)がセバベルチニブを画期的治療薬指定とし、HER2活性化変異を有するNSCLCにおいて既存の治療法に対して大幅な改善を提供する可能性があることを示しました。中国においては、セバベルチニブの承認申請は、2025年7月に受理されました。

【HYRNUO™ (セバベルチニブ)について】

セバベルチニブは、経口投与可能な可逆的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であり、HER2エクソン20挿入変異やHER2点変異を含む変異型HER2および変異型上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor: EGFR)を強力に阻害し、野生型EGFRに対して高い選択性を示します。セバベルチニブは、がん細胞の成長に関連するチロシンキナーゼと呼ばれる特定の酵素を阻害することによって作用します。可逆的TKIは、標的を一時的にブロックすることができるため、治療のより正確なコントロールが可能であり、不可逆的TKIと比較して長期的な副作用を軽減する可能性があります。

 

セバベルチニブは、米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学、ハーバード大学のブロード研究所とバイエルの戦略的研究提携の成果です。

 

現在進行中の第III相SOHO-02試験(NCT06452277)では、HER2遺伝子変異を有する進行NSCLC患者に対する一次治療選択肢としてセバベルチニブが評価されています。セバベルチニブは、進行NSCLCを除くHER2遺伝子変異を有する転移性または切除不能な固形腫瘍患者においても、panSOHO研究(NCT06760819)で評価されています。

 

【非小細胞肺がん(NSCLC)について】

肺がんは世界的に最も死亡率が高いがんです。NSCLCは全ての肺がんの約85%以上占める最も一般的なタイプです。NSCLC患者さんの約2%から4%がHER2遺伝子変異を有すると推計されています。NSCLCを有する患者さんのうち、約80%はがんが既に進行したステージに進んでおり、治療が難しくなっています。HER2遺伝子変異を有するNSCLC患者さんは治療法が限られており、新たな治療選択肢が必要とされています。

References:

1 X Le, M.D., Ph.D., TM Kim, M.D., Ph.D. H.H.Loong, M.B., B.S. et al. Sevabertinib in Advanced HER2-Mutant Non–Small-Cell Lung Cancer. New England Journal of Medicine. 2025/10/21. Available at: https://www.nejm.org/doi/abs/10.1056/NEJMoa2511065. Last accessed November 2025.

バイエルのオンコロジーについて 

バイエルは、革新的治療のポートフォリオを充実させることで、Science for a better lifeをお届けできるよう取り組んでいます。バイエルには、がんと共に生きる人々の生活の改善と生存期間の延長に役立つ新薬を開発する情熱と決意があります。バイエルのオンコロジーフランチャイズには、さまざまな適応症を持つ複数の製品と、臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物があります。当社は、腫瘍細胞の内因性経路、標的核医学治療、いくつかの次世代腫瘍免疫学などの分野で豊富な専門知識を有しています。当社は、副作用を抑えながら生存期間を延長することを目標に、早期から転移期までの前立腺がん治療を推進しています。バイエルは革新的なプレシジョンオンコロジー治療薬に注力しており、その一環として、腫瘍の増殖と転移を促進する発がん性因子であるNTRK融合遺伝子を有する腫瘍の治療に特化したTRK阻害剤が承認されています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠前から妊娠期間及び産後・授乳期を通じて栄養をサポートするサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2025年12月1日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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