バイエル、パーキンソン病を対象とした細胞治療及び遺伝子治療の開発をリードする企業
- 細胞・遺伝子治療
- 細胞・遺伝子治療
本資料は9月22日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
- 同種多能性幹細胞由来の細胞治療用製品として開発中のbemdaneprocelについて第III相ピボタル試験であるexPDite-2試験を開始
- 遺伝子治療用製品AB-1005の第II相試験REGENERATE-PDについて、英国およびポーランドで被験者の無作為化を開始。米国は進行中であり、ドイツでも間もなく開始予定
- パーキンソン病は世界で1,000万人以上が罹患する、2番目に多く、かつ最も増加の速い神経変性疾患
ベルリン、2025年9月22日 ― ドイツ・バイエル社は本日、パーキンソン病(PD)を対象として開発中の2つの有望な治療法の進展について発表しました。PDを対象に開発中の細胞治療用製品であるbemdaneprocelの第III相exPDite-2試験において、最初の被験者が無作為化されました。同時に、開発中の遺伝子治療用製品AB-1005の第II相REGENERATE-PD試験において、欧州で初となる被験者の無作為化が行われました。両治療法は中等度のPDの治療に焦点を当てており、それぞれバイエル社の完全子会社で独立運営の企業であるBlueRock Therapeutics 社(bemdaneprocel)およびAskBio社(AB-1005)と共同で開発しています。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「PDにおける細胞治療と遺伝子治療という2つのアプローチは、バイエルの戦略的ビジョンを体現しており、長きにわたり新たな治療法を待ち続けてきたPD患者さんに新たな希望をもたらす可能性を最大限に高めるものです。私たちは、PD患者さんの生活に意義ある影響を与える可能性を秘めた疾患修飾療法の開発の最前線に立っていることに、大きな活力を感じています」
バイエルは、世界各地に最新鋭の製造施設を備え、研究から製造までの全工程を網羅する包括的なエンドツーエンド体制を確立することで、細胞・遺伝子治療の開発、製造、商業化における世界的基準を構築しています。
BlueRock Therapeutics 社シニアバイスプレジデント兼bemdaneprocel製品責任者であるガビ・ベルフォートは次のように述べています。「PDは、脳内のドパミン産生細胞の喪失を特徴とし、その結果、運動障害が引き起こされます。bemdaneprocelは、これらの失われた細胞を新しいドパミン産生ニューロンに置き換えることを目的としており、このアプローチを検証するための第III相ピボタル試験であるexPDite-2試験が現在進行中であることを大変嬉しく思います」
AskBio社のPDおよび多系統萎縮症(MSA)担当シニアバイスプレジデント兼統合製品チームリーダーであるエイドリアン・ケルズは次のように述べています。「PDにおいては、神経再生療法に対する大きなニーズが存在すると考えています。AskBio社は、この重篤かつ進行性の慢性疾患に対する治療として、開発中の遺伝子治療用製品AB-1005の可能性を探求することに尽力しています。また、欧州でREGENERATE-PD試験が進展したというニュースをお伝えできることを大変嬉しく思います。これは患者さんと医療界にとって重要な最新情報となると考えています」
bemdaneprocelとAB-1005は、いずれの規制当局からも承認されていない開発中の治療法であり、その有効性と安全性は確立されておらず、十分に評価されていません。
パーキンソン病(PD)について
PDは進行性の神経変性疾患であり、日常生活に大きな影響を与えます。PDでは、脳内のドパミン産生神経細胞が脱落し、運動機能が持続的に低下します。症状には、振戦、筋固縮、動作緩慢などがあります。またPD患者は、疲労感や気力の低下、認知機能の問題、うつ病などの非運動症状もみられます。症状は通常、時間の経過とともに悪化し、日常生活に支障をきたします。PDの有病率は過去25年間で倍増しており、現在全世界で1,000万人以上がPDに罹患していると推定されています。PDは世界で2番目に有病率の高い神経変性疾患であり、また最も頻度の高い運動障害疾患でもあります。現時点では根治療法は存在しておらず、現在行われている治療選択肢は不十分であり、症状の包括的な管理ができないことから、新しい治療法が早急に必要とされています。
bemdaneprocel(BRT-DA01)について
bemdaneprocel(BRT-DA01)は、PDで失われるドパミン産生ニューロンを補充することを目的とした開発中の細胞治療です。これらのドパミンニューロン前駆細胞はヒト胚性多能性幹細胞に由来し、移植後も成熟ドパミンニューロンへと分化を続けます。外科手術において、これらのニューロン前駆細胞はPD患者の脳に移植されます。移植により、PDによって深刻な影響を受けた神経ネットワークが再構築され、患者の運動機能および非運動機能が回復する可能性があります。bemdaneprocelは、2021年にFDAよりファストトラック指定を受け、2024年には再生医療先進治療(RMAT)の指定を受けました。2024年国際パーキンソン病・運動障害学会(MDS)で発表された第I相試験の参加者12名のデータは、良好な忍容性を示し、術後24か月時点において治験薬に関連する重篤な有害事象は認められませんでした。
さらに、術後24ヶ月時点での運動機能障害に関する副次評価項目においても、有望な傾向が認められました。これらの参加者は、長期継続評価試験に継続して参加しています。bemdaneprocelは、特定の疾患または病状の治療について、いずれの規制当局からも承認されていません。
exPDite-2について
exPDite-2試験は、PDを対象として開発中の同種多能性幹細胞由来療法の第III相ピボタル試験です。12名の参加者を対象とした第I相試験では、bemdaneprocelの忍容性は良好で、術後24カ月時点で治験薬に関連する重篤な有害事象は認められませんでした。さらに、術後24カ月時点での運動障害に関する副次的評価項目においても、有望な傾向が認められました。これらの結果に基づき、多施設共同二重盲検試験であるexPDite-2試験では、bemdaneprocelの有効性、安全性、および総合的な影響をシャム手術対照と比較評価します。本試験は、PD患者約102名の登録を予定しています。本試験の主要評価項目は、PD日誌で評価した日常生活に支障を及ぼすジスキネジアを伴わないON時間(16時間の覚醒時間で調整)のベースラインから78週目までの変化です。さらに、本試験では、運動に関する客観的指標、非運動症状、安全性および忍容性を評価するために設計された副次評価項目、ならびに日常生活動作および生活の質を把握するための評価尺度が組み込まれます。exPDite-2試験の詳細については、clinicaltrials.gov (NCT06944522) またはbluerocktx.comをご覧ください。
本試験の結果は、その内容に応じて製造販売承認申請を支援するデータ パッケージの一部となる予定です。
AB-1005について
AB-1005は、ヒトグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)導入遺伝子を含むアデノ随伴ウイルスベクター2型(AAV2)に基づく開発中の遺伝子治療用製品です。MRI撮像下で対流強化薬剤送達法によって外科的に脳へ直接注入した後、脳の局所的な領域にGDNFを安定的かつ持続的に発現させることができます。非臨床試験では、GDNF はドパミン作動性ニューロンの生存と形態的分化を促進することが示されています。遺伝子組み換え GDNF は、中脳ドパミン作動性ニューロンの進行性変性を特徴とするPD などの疾患の潜在的な治療として長い間評価されてきました。開発中の遺伝子治療と革新的な脳外科的送達アプローチを組み合わせ、この神経栄養因子を、これらの変性している黒質線条体ニューロンに、より高い臨床効果を期待される方法で送達することで、PDにおけるGDNF仮説を検証できるようになりました。
REGENERATE-PDについて
REGENERATE-PDは、中等度PDの成人(45~75歳)を対象とした、被殻内に投与されたAB-1005の有効性と安全性に関する第Ⅱ相無作為化二重盲検シャム手術対照試験です。本試験には、米国、ドイツ、ポーランド、英国の臨床試験実施施設で推定87名が参加する予定です。REGENERATE-PD臨床試験の詳細については、clinicaltrials.gov(NCT06285643)、またはwww.askbio.comを参照ください。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2025年9月25日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。