本資料は10月24日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
ドイツ・バイエル社とDewpoint Therapeutics社、心臓病プログラムに関するライセンス契約を締結
- バイエル社は特異的遺伝子変異を特徴とする拡張型心筋症患者に特化した疾患修飾薬の開発・商業化のためのグローバルライセンスを取得
- ライセンス契約後、両社は循環器および腎臓領域における共同研究を継続
- Dewpoint社はロイヤルティを除く契約一時金および開発・商業化マイルストーンとして推定4億2,400万ドルを受領予定
ドイツ・ベルリン、米国マサチューセッツ州ボストン、2024年10月24日 ― ドイツ・バイエル社は、特異的遺伝子変異を特徴とする拡張型心筋症患者の治療のための心臓病プログラムに関する独占的ライセンス契約をDewpoint Therapeutics社と締結しました。本契約は、バイエル社とDewpoint社との2019年11月からの研究提携に基づく最初のオプション権行使となります。循環器疾患および腎疾患の新たな治療薬を開発するために、Dewpoint社独自の生体分子凝縮体プラットフォームとバイエル社の低分子化合物の研究開発ノウハウを活用します。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門事業開発&ライセンシング責任者のユルゲン・エックハルトは次のように述べています。「創薬における最大の課題の一つは、創薬不可能なヒトプロテオームへの対応です。生体分子凝縮体という新たなパラダイムは、新規標的や、これまで難しいとされてきた標的への新たなアプローチを明らかにすることにより、低分子化合物のこれまでの創薬標的領域を拡大しつつあります。われわれは、アンメットニーズが最も高い循環器疾患の患者さんに、革新的な医薬品を提供したいと考えており、Dewpoint Therapeutics社と共に、このイノベーションの新しい波に参加できることをうれしく思います」
拡張型心筋症は、心室が拡大し、血液を効果的に送り出すのが難しい心筋疾患です。本ライセンスプログラムは、疾患関連凝縮体の形成を引き起こす遺伝子変異に関係している特定の拡張型心筋症に対応する革新的な方法に焦点を当てています。この特定の拡張型心筋症は、心不全の早期発症と生命を脅かす不整脈の頻発を特徴とするアンメットメディカルニーズの高い重篤な疾患です。
Dewpoint Therapeutics社CEOのアミート・ナスワニ氏は次のように述べています。「バイエル社との共同研究により、拡張型心筋症の治療を一変させる可能性を秘めた新しい創薬を進めることをうれしく思います。最初の創薬プログラムのライセンス供与は、複雑な疾患の根底にある凝縮体ドライバーを同定して標的とする当社独自の凝縮体をベースとしたアプローチの科学的な信頼性を強調しています。このプログラムにおける前臨床所見は、凝縮体を修飾する低分子化合物が基本的な疾患プロセスを反転させる可能性を示しています。バイエル社がこのエキサイティングなプログラムのオプション権を行使したことは、循環器疾患と腎疾患の革新的な治療薬を探求するわれわれの継続的な協力関係のさらなる強化につながり、大変喜ばしく思います」
Dewpoint Therapeutics社はロイヤルティを除き、契約一時金および開発・商業化マイルストーンの総額として推定4億2,400万ドルを受領します。バイエル社は戦略的投資部門であるLeaps by Bayerを通じて、2019年1月にDewpoint社の資金調達ラウンドシリーズAに参加しました。
【凝縮体について】
凝縮体は、相分離と呼ばれるプロセスを経て細胞全体に動的に形成される膜のない小器官です。これらの細胞内区画は、細胞内の分子を構造化して集積し、多様な生化学プロセスを可能にします。生体分子凝縮体の調節異常は、がん、糖尿病、神経疾患など多くの疾患で観察されています。凝縮体修飾治療薬(c-mods)は、複雑な疾患や歴史的に創薬不可能な標的に対する新しい治療選択肢となる可能性があります。
Dewpoint Therapeutics社について
Dewpoint社は、アンメットニーズの高い疾患に対応する新世代の治療薬開発に向けて、生体分子凝縮体生物学を応用するトップレベルのバイオテクノロジー企業です。凝縮体の機能不全によって制御される、あるいは機能不全から生じる病態が膨大にあることがわかったことにより、これまで「創薬不可能」とされてきた価値の高い標的の機能を調節する新たな可能性が生まれ、何百もの新規治療標的を同定する未踏の道が開かれました。Dewpoint社独自の人工知能(AI)/機械学習(ML)を駆使した最先端のプラットフォームは、オンコロジー、神経変性疾患、心肺疾患、代謝性疾患など、複数の治療領域にまたがる創薬パイプラインを支えています。Dewpoint社は、ドイツ・バイエル社、デンマーク・ノボ ノルディスク社、ドイツ・Evotec社との提携を通じて、治療が困難な疾患に苦しむ患者さんのために、生体分子凝縮体生物学に基づいた医薬品の創出を加速させるために限界に挑戦しています。詳細はDewpointx.comをご参照ください。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2024年10月31日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。