第30回日本心不全学会学術集会:心筋ミオシン阻害剤アフィカムテンの閉塞性肥大型心筋症に関する追加データが発表 

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  • バイエルと米国Cytokinetics社の提携に基づき開発中

大阪、2026年10月26日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:アシュラフ・アルオウフ、以下「バイエル薬品」)は、肥大型心筋症に対する治療薬として開発中の心筋ミオシン阻害剤アフィカムテンについて、閉塞性肥大型心筋症に関する追加データが10月23~25日に富山市で開かれた第30回日本心不全学会学術集会で発表されたことをお知らせします。

 

アフィカムテンは、心筋の過収縮を抑制することにより、肥大型心筋症の根本的な病態生理に作用する心筋ミオシン阻害剤です。アフィカムテンは米国Cytokinetics社により創製され、バイエルと同社が日本におけるアフィカムテンの開発および商業化に関する独占的提携およびライセンス契約を締結しています。

 

同学術集会で発表された3演題では、アフィカムテンの単剤療法としての有効性、高度な左室流出路(LVOT)閉塞を有する被験者における有効性、および治療中断後の再投与に関する知見が報告されました。今回報告された解析結果において、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。

■アフィカムテン単剤療法により運動耐容能、症状・健康状態、心機能指標が一貫して改善

症候性閉塞性肥大型心筋症患者284人を対象に、アフィカムテン単剤療法の有用性をβ遮断薬単剤療法およびプラセボと比較した解析結果が報告されました。本解析は、海外第Ⅲ相臨床試験SEQUOIA-HCMおよび同MAPLE-HCMの統合解析です。アフィカムテン単剤療法は、最大酸素摂取量(pVO₂)をプラセボに対して2.1mL/kg/min、β遮断薬単剤療法に対して2.2mL/kg/min改善しました。また、息こらえによるバルサルバ負荷時のLVOT圧較差は、プラセボと比べ48mmHg、β遮断薬単剤療法と比べ35mmHg低下しました。さらに、NYHA心機能分類、症状や健康状態を評価するカンザスシティ心筋症質問票臨床サマリースコア(KCCQ-CSS)およびNT-proBNPなど複数の臨床的に重要な指標において、一貫した改善が認められました。一方、β遮断薬単剤療法では、多くの評価項目でプラセボとの差が認められませんでした。安全性プロファイルは3群でおおむね同様であり、重篤な有害事象および有害事象全体の発現割合は各群で同程度でした。

 

■アフィカムテン治療により高度LVOT閉塞を有する被験者の多くが中隔縮小療法(SRT)の適応外に

LVOTの閉塞を改善するため、カテーテル治療や外科手術など侵襲を伴うSRTの適応となる被験者を対象とした解析結果が報告されました。本解析は、Cytokinetics社が実施中のアフィカムテンの非盲検延長投与試験FOREST-HCMにおいて、アフィカムテンの維持用量に到達した317人を対象としました。ベースライン時にSRT適応基準を満たしていた104人のうち、アフィカムテンによる治療後も基準を満たしていた被験者は3人(2.9%)であり、101人(97.1%)は基準を満たさなくなりました。また、バルサルバ負荷時のLVOT圧較差は109.1mmHgから39.5mmHgへ低下しました。心臓収縮機能の指標である左室駆出率(LVEF)は69.5%から66.2%への変化にとどまり、LVEFが40%未満となった被験者は認められませんでした。本解析ではSRTの実際の回避や代替について直接検証していませんが、アフィカムテン治療により、重度の症状や高度なLVOT閉塞を有する被験者の大部分で閉塞の改善が認められ、97.1%がSRT適応基準を満たさなくなりました。

 

■アフィカムテンは休薬後に明確なリバウンドを認めず、再投与後には効果を再現

手術や併存疾患などにより、アフィカムテンの一時的な休薬が必要となるケースを想定し、一時中断および再投与の影響を評価した解析結果が報告されました。本解析では、SEQUOIA-HCM試験終了後の休薬期間、およびFOREST-HCM試験における再投与後の経過が評価されました(対象282人)。4週間のアフィカムテン休薬後には、LVOT圧較差、NYHA心機能分類、KCCQ-CSSおよびNT-proBNPはおおむね治療前の状態へ戻りました。一方、治療前よりも悪化した状態として事前に定義されたリバウンド現象の発現は、アフィカムテン群3.5%、プラセボ群1.4%で、群間差は認められませんでした(p=0.3)。さらに、アフィカムテンの再投与後には、LVOT圧較差、NYHA心機能分類、KCCQ-CSSおよびNT-proBNPが初回治療時と同様に改善しました。休薬期間中の重篤な有害事象は、アフィカムテン群5人(3.5%)、プラセボ群3人(2.0%)でした。アフィカムテンによる治療中断後に明確なリバウンドは認められず、再投与後には初回治療時と同様の臨床効果が再現されました。

 

バイエルは、満たされていない医療ニーズの高い循環器領域に対して革新的治療のポートフォリオの強化に注力しています。バイエル薬品はCytokinetics社との連携を通じ、アフィカムテンを日本の患者さんにお届けするとともに、患者さんの日常生活の質の向上に貢献できるよう取り組んでいきます。

【アフィカムテン(一般名)について】

肥大型心筋症患者において、アフィカムテンはミオシンを阻害することにより、心筋収縮力を低下させ、LVOTの閉塞を軽減します。アフィカムテンは、予測可能な曝露反応と迅速な作用発現および可逆性を実現できるようデザインされています1。

 

アフィカムテンは、米国、欧州連合(EU)、中国および英国で閉塞性肥大型心筋症の治療薬として承認されています。日本国内ではバイエル薬品が、Cytokinetics社とバイエルとの共同開発計画に基づき開発を進めています。本計画によりバイエル薬品は、閉塞性肥大型心筋症の日本人患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験CAMELLIA-HCMを実施しています。また、Cytokinetics社は、非閉塞性肥大型心筋症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験ACACIA-HCM、および閉塞性肥大型心筋症の小児患者を対象とした臨床試験CEDAR-HCMを日本に拡大し、日本でバイエル薬品によるアフィカムテンの承認取得を支援します。日本においてアフィカムテンは、予定される効能・効果である非閉塞性肥大型心筋症および小児の閉塞性肥大型心筋症を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。

 

【肥大型心筋症について】

肥大型心筋症は、心筋が異常に厚くなる(肥大する)病気です。心筋が肥大すると、左心室の内腔が小さく硬くなり、左心室が弛緩して血液を充満する能力が低下します。これにより最終的に心臓のポンプ機能が制限され、運動耐容能の低下や運動中の胸痛、めまい、息切れ、失神などの症状が現れます。閉塞性肥大型心筋症は心筋の肥厚によりLVOTが閉塞している一方、非閉塞性肥大型心筋症は血流には影響がないものの、心筋が肥厚しています。肥大型心筋症患者は、心房細動、脳卒中、僧帽弁疾患などの心血管系合併症を発症するリスクも高くなります。肥大型心筋症患者は、致死性心室不整脈の発症リスクがあり、若年者やスポーツ選手の突然死の主な原因の一つとなっています。肥大型心筋症患者の一部は、拡張型心筋症や心不全へと進行し、心臓移植が必要となるリスクが高くなります。

 

肥大型心筋症は、日本では難病指定されています。難病認定を受けた患者さんを対象とする2023年度の医療受給者証所持者数は4,388人とされていますが、心エコー検査によるスクリーニングでは、一般人口の500人に1人に認められるとの報告もあります2。

References:
1. Maron MS, et al. Aficamten for Symptomatic Obstructive Hypertrophic Cardiomyopathy. N Engl J Med. doi:10.1056/NEJMoa2401424
2. 難病情報センターホームページ(2026年10月現在)から引用、一部改変

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題の克服をサポートするとともに、イノベーションと成長を通じた価値創出に取り組んでいます。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠前から妊娠期間及び産後・授乳期を通じて栄養をサポートするサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。

 

Cytokinetics社について

Cytokinetics社は循環器領域に特化したバイオ製薬企業であり、筋生物学における25年以上の先駆的な科学的イノベーションを基盤に、心筋機能障害をもつ患者さんのための開発パイプラインの強化を進めています。同社の心筋ミオシン阻害剤MYQORZO™(アフィカムテン)は、成人症候性閉塞性肥大型心筋症患者に対する治療薬として、米国、中国、欧州連合(EU)および英国で承認されています。また、非閉塞性肥大型心筋症患者を対象としたアフィカムテンの第Ⅲ相臨床試験ACACIA-HCMの良好なトップライン結果を受け、同社は米国で2026年第4四半期に適応追加承認申請を行う予定です。同社は、左室駆出率が著しく低下した心不全患者の治療薬候補として心筋活性化剤omecamtiv mecarbilや、左室駆出率の保たれた心不全の治療薬候補として心筋ミオシン阻害剤ulacamtenの開発も行っており、同時に筋生物学における前臨床研究および開発も引き続き取り組んでいます。同社の詳細は、www.cytokinetics.com、X、LinkedIn、Facebook、YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年10月26日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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