バイエルのアスンデキシアン、非心原性虚血性脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作発症後患者における虚血性脳卒中の発現・重症割合・後遺障害の減少を示す新たな解析結果
- 循環器・腎・代謝領域
本資料は5月6日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
- 第Ⅲ相臨床試験OCEANIC-STROKEの新たな解析結果では、抗血小板療法との併用下でアスンデキシアンがプラセボと比較して非心原性虚血性脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作(TIA)発症後患者における虚血性脳卒中の発現・重症割合を減少
- アスンデキシアンによりプラセボと比較して後遺障害を伴う脳卒中*の発現が減少し、急性期治療(経静脈的血栓溶解療法/機械的血栓回収療法)実施も減少
- 被験者12,327人が登録されたOCEANIC-STROKE試験はプラセボとの比較により、虚血性脳卒中発症抑制に関して優越性を示した初の第Ⅺa因子(FXIa)阻害薬の第Ⅲ相臨床試験
- 脳卒中は死因第2位、後遺障害の原因第3位、認知症の主要因の一つであり、世界的に55歳未満での発症増加を示す憂慮すべきエビデンスが存在1,2
ドイツ・ベルリン、2026年5月6日 ― ドイツ・バイエル社は、開発中の1日1回経口投与のFⅪa阻害薬アスンデキシアン(50mg)について、抗血小板療法との併用下でプラセボと比較検討した国際共同第Ⅲ相臨床試験OCEANIC-STROKEの新たな解析結果を本日発表しました。新たな解析より、非心原性虚血性脳卒中または高リスクTIAの発症後患者において、アスンデキシアンは虚血性脳卒中のリスクを低下させるだけでなく、発現した脳卒中の重症度も軽減したことが示されました。
OCEANIC-STROKE試験の主な結果:
- 虚血性脳卒中の発現:虚血性脳卒中の発現は、アスンデキシアン群[384人(6.2%)]でプラセボ群[518人(8.4%)]と比較して少ない結果でした。
- 虚血性脳卒中の重症度:虚血性脳卒中を発現した被験者のうち、米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)8以上の中等症から重症の割合は、アスンデキシアン群で22.9%、プラセボ群で30.3%でした。
- 後遺障害を伴う脳卒中のリスク:アスンデキシアンの投与により、後遺障害を伴う脳卒中の発現リスクが低下しました[原因別ハザード比(csHR) 0.69、95%信頼区間(CI) 0.55–0.87]。
- 急性期治療の必要性:虚血性脳卒中を発現した被験者のうち、急性期治療(経静脈的血栓溶解療法および/または機械的血栓回収療法)を必要とした被験者の割合は、アスンデキシアン群ではプラセボ群と比較して低値でした:アスンデキシアン群40人(10.4%)、プラセボ群82人(15.8%)。
- 機械的血栓回収療法が施行された虚血性脳卒中:全集団において、機械的血栓回収療法が施行された虚血性脳卒中の発現は、アスンデキシアン群(0.4%)ではプラセボ群(0.7%)と比較して低値でした(csHR 0.61、95%CI 0.38–0.99)
- 致死的転帰を伴う虚血性脳卒中:致死的転帰を伴う虚血性脳卒中の発現は、アスンデキシアン群(16人、0.3%)ではプラセボ群(28人、0.5%)と比較して低値でした(csHR 0.57、95%CI 0.31–1.06)。
今回発表されたその他のデータでは、第Ⅲ相臨床試験OCEANIC-STROKEにおいて、頭蓋内出血および出血性脳卒中の発現率は低く、高リスクサブグループにおいても同程度であり、重症度および転帰はアスンデキシアン群とプラセボ群間で同様でした。
OCEANIC-STROKE試験の治験責任医師でマクマスター大学脳卒中予防Michael G. DeGroote Chair、PHRI(マクマスター大学とハミルトンヘルスサイエンスの共同研究所)シニアサイエンティストであるマイク・シャーマ氏は次のように述べています。「最新のOCEANIC-STROKE試験データに加え、これらの新たな解析結果は、もう一つ重要な点を示しています。それは、アスンデキシアン投与により脳卒中の発現が減少しているだけでなく、発現した場合でもその重症度が軽減されているということです。重症度は、脳卒中発症後の患者さんにおける障害発生の可能性や生活の質(QOL)の低下に直接影響するため、極めて重要です。プラセボと比較して出血リスクを増加させることなく、脳卒中の発現と重症度の両方を低減するというこの二重の利点は、本治療薬が承認された場合に患者さんの転帰をどのように改善し得るかについて、臨床医により包括的な理解を提供します」
過去20年間で脳卒中の生涯リスクは50%増加しており、現在では成人の4人に1人が生涯のうちに脳卒中を発症するとされています。使用可能な再発抑制の選択肢が存在するにもかかわらず、脳卒中を経験した人のうち5人に1人は5年以内に再発し、10人に1人は1年以内に再発するとされています3。虚血性脳卒中の再発は、初回発症時と比較してより重い後遺障害を残しやすく、死亡リスクも高いことが示されています4、5、6。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「何百万人もの脳卒中を経験した人が再発という厳しい現実に直面しており、深刻な個人的・経済的影響を伴う大きなアンメットメディカルニーズが存在しています。脳卒中の長期的な影響は医療ケアにとどまらず、生産性の低下や家族の負担にも及び、医療制度に大きな負担を与えています。既存の発症抑制のための選択肢があるにもかかわらず、多くの患者さんが依然として再発リスクにさらされており、さらなる治療選択肢の必要性が示されています。バイエルでは、こうした持続的なケアのギャップに対応し、患者さんとその家族、さらには医療制度における脳卒中再発の負担軽減を目指して、アスンデキシアンのような革新的な治療法の開発を進めています」
バイエルは現在、アスンデキシアンの販売承認取得に向け、世界各国の規制当局と協議を進めています。アスンデキシアンは治験薬であり、現時点では規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。
【OCEANIC-STROKE試験について】
OCEANIC-STROKE試験は、非心原性虚血性脳卒中または高リスクTIAの発症後患者を対象に、経口FⅪa阻害薬アスンデキシアン50mgの1日1回投与と抗血小板療法を併用したときの虚血性脳卒中の発症抑制効果と安全性をプラセボと比較検討しました。本試験は多施設共同、国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、イベント主導型試験であり、全世界で被験者12,327人が無作為化されました。主要評価項目は虚血性脳卒中が最初に発現するまでの時間、安全性主要評価項目はISTH出血分類の「重大な出血」の初発までの時間でした。OCEANIC-STROKE試験の結果は最近、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載されました。
【血液凝固第Ⅺa因子阻害薬とアスンデキシアンについて】
血液凝固FⅪaは血液凝固経路のタンパク質であり、止血と血栓形成における関与はそれぞれ異なります。FXIaは、病的な血栓の形成や血管閉塞に関与していると考えられていますが、血管損傷部位の出血を止める止血栓の形成への関与はごく限定的です。
アスンデキシアンは1日1回経口投与の治験薬であり、現時点では規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。
* OCEANIC-STROKE試験の副次評価項目
References:
1. Scott CA, Li L, Rothwell PM. Diverging Temporal Trends in Stroke Incidence in Younger vs Older People: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Neurol. 2022;79(10):1036–1048.
2. Feigin VL, et al. World Stroke Organization (WSO): Global Stroke Fact Sheet 2022. Int J Stroke. 2022;17(1):18–29.
3. Kolmos M, et al. Recurrent Ischemic Stroke - A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. 2021;30(8):105935.
4. Feigin VL, et al. Pragmatic solutions to reduce the global burden of stroke: a World Stroke Organization-Lancet Neurology Commission. The Lancet Neurology. 2023 Dec;22(12):1160-1206.
5. Rochmah TN, et al. Economic Burden of Stroke Disease: A Systematic Review. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2021;18(14):7552.
6. Skajaa N, et al. Risks of Stroke Recurrence and Mortality After First and Recurrent Strokes in Denmark: A Nationwide Registry Study. Neurology. 2022;98(4):e329-e342.
循環器・脳血管治療薬に対するバイエルのコミットメントについて
バイエルは循環器領域のリーダーであり、アンメットメディカルニーズの高い循環器・脳血管疾患の革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。当社は、そうした疾患(脳卒中、心不全、心筋症、慢性腎臓病など)の治療に向けた革新的な治療薬の開発に明確な焦点を当てており、これらの疾患を持つ患者さんのケアにおいて主導的な役割を果たすことを目指しています。バイエルは、強固かつ多様なパイプラインにより、循環器・神経領域の未来を積極的に形作っています。戦略的に位置付けられたパイプラインにより、重要なアンメットニーズに対応し、長期的な価値を大きく推進することを目指しています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2026年5月14日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
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