フィネレノンが幅広い慢性腎臓病患者における腎疾患進行・心血管エンドポイントのリスクを有意に抑制

本資料は6月5日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • 統合解析INFINITYにおいてフィネレノンは標準治療への上乗せ投与により2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)および非糖尿病性CKDを含む多様な患者集団においてベースラインの血糖状態、基礎疾患、腎機能レベルにかかわらず腎不全を含むCKDの進行リスクをプラセボと比較して24%有意に低下1
  • フィネレノンは主要心血管複合エンドポイント(心不全による入院または心血管死)のリスクもプラセボと比較して20%有意に低下1
  • INFINITYは第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKD、FIGARO-DKDおよびFIND-CKDの事前規定された統合解析で、腎不全、心血管イベントおよび高カリウム血症のリスクが異なる14,500人超の糖尿病性・非糖尿病性CKD患者を対象にフィネレノンの有効性・安全性を評価したこれまでで最大規模の解析
  • 統合解析INFINITYの結果は医学誌ランセットに同時掲載
  • CKDは世界的に重大な健康課題であり世界で約8億5,000万人が罹患し2,3、死亡原因の第9位として年間約150万人の死亡に関連しており約20秒に1人がCKD関連で死亡4
     

ドイツ・ベルリン、2026年6月5日 ― INFINITYは、2型糖尿病を合併するCKDおよび非糖尿病性CKDの患者集団を対象としたフィネレノンの3つの第Ⅲ相臨床試験(FIDELIO-DKD、FIGARO-DKD、FIND-CKD)の事前規定された統合解析です。本解析では、追跡期間中央値3年間において、フィネレノンは、主要腎複合エンドポイント[腎不全または57%以上の持続的な推算糸球体濾過量(eGFR)低下]のリスクをプラセボと比較して、24%低下させました[ハザード比(HR)0.76(95%CI:0.68-0.86;p<0.0001)]。さらに、フィネレノンは、腎不全単独のリスクをプラセボと比較して、15%低下させました[HR 0.85(95%CI:0.74-0.98;p=0.03)]。また、フィネレノンは、主要心血管複合エンドポイント(心不全による入院または心血管死)のリスクをプラセボと比較して、20%低下させました[HR 0.80(95%CI:0.70-0.91;p=0.0006)]。さらに、主要心腎複合エンドポイント(57%以上の持続的なeGFR低下、腎不全、心不全による入院、心血管死の複合)についても、フィネレノンはプラセボと比較してリスク低下が認められました[HR 0.77(95%CI:0.70-0.85;p<0.0001)]。これらのINFINITY統合解析の結果は本日、第63回欧州腎臓学会(ERA)学術集会2026のLate Breaking Clinical Trialsセッションにおいて発表され、ランセットに同時掲載されました。

 

ジョージ・インスティテュート・フォー・グローバル・ヘルスのグローバル臨床試験責任者であり、オーストラリア・シドニーのロイヤル・ノース・ショア病院の腎臓専門医、Kidney Trialsディレクターであるブレンドン・L・ニューエンは次のように述べています。「統合解析INFINITYは、糖尿病性および非糖尿病性CKDという多様な患者集団において、フィネレノンが腎および心血管エンドポイントに及ぼす影響を包括的に評価しています。フィネレノンは、血糖状態、腎疾患の原因、腎機能の程度にかかわらず一貫したベネフィットを示しており、腎不全および心血管疾患という二つのリスクから患者さんを守るうえで重要な進展といえます。また、CKD患者におけるフィネレノンの適応を、より幅広い患者集団へと拡大することを支持する結果といえます」

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「無作為化臨床試験から得られた総合的なエビデンスおよびCKDにおいてフィネレノンで一貫して認められているベネフィットに基づき、14,500人を超える患者さんにおけるこれらのデータは、基礎疾患にかかわらず、CKDの幅広い高リスク患者集団において、複数の心腎エンドポイントの改善にフィネレノンが寄与する可能性を示しています。また、INFINITYのデータは、フィネレノンの忍容性は良好で、腎疾患の進行および心血管障害に関与する共通の病態経路に作用する基礎治療の選択肢としての役割を裏付けています」

 

統合解析INFINITYにおいて、糖尿病性および非糖尿病性CKDという多様な患者集団におけるフィネレノンの忍容性は良好で、フィネレノンの安全性プロファイルはこれまでの報告と一致しています。

 

14,500人を超える被験者が無作為化されたINFINITYは、2型糖尿病を合併するCKD患者、および多様な非糖尿病性の基礎疾患を有するCKD患者の双方を対象としたフィネレノンの有効性および安全性に関するこれまでで最大規模の解析です。本解析は、2型糖尿病を合併するCKDにおいて蓄積されてきたフィネレノンのエビデンスを非糖尿病性CKDへと広げ、腎不全、心血管イベントおよび高カリウム血症のリスクが異なる多様なCKD患者集団において、心血管および腎に対する保護効果が一貫して認められることを示しています。

 

ミネラルコルチコイド受容体(MR)の過剰活性化は、糖尿病性および非糖尿病性CKDに共通する病態経路であり、炎症、線維化およびCKDの進行を促進します。非ステロイド型選択的MRAであるフィネレノンは、MR経路を標的とする薬剤としては初めて、左室駆出率(LVEF)40%以上の心不全患者(FINEARTS-HF試験)、2型糖尿病を合併するCKD患者(FIDELIO-DKD試験、FIGARO-DKD試験)、1型糖尿病を合併するCKD患者(FINE-ONE試験)、および非糖尿病性CKD患者(FIND-CKD試験)を対象とした計5つの第Ⅲ相臨床試験において、それぞれ心血管系および/または腎ベネフィットを示しています。

【ケレンディア®/Firialta™(フィネレノン)について】

ケレンディア®およびFirialta™は、フィネレノンの世界的に保護された商標です。フィネレノンは非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であり、MRの過剰活性化による悪影響を抑制することが示されています。MRの過剰活性化は、代謝、血行動態、炎症や線維化の要因によって引き起こされる可能性のあるCKDの進行や心血管障害に関与します。

 

フィネレノンは2021年以降、ケレンディア®(一部の国ではFirialta™)の名称で販売されています。米国、欧州、日本、中国を含む世界100カ国以上で、2型糖尿病を合併する成人CKDに対する治療薬として承認されています。米国では優先審査指定を経て2025年7月に、フィネレノンがLVEF 40%以上の心不全に対する治療薬として承認されました。欧州連合、日本およびその他の複数の国・地域においても、また直近では中国においても、LVEF 40%以上の心不全に対して承認されています。さらに、LVEF 40%以上の心不全を対象とした製造販売承認申請が、ほかの国・地域でも行われています。

 

フィネレノンの臨床試験プログラムFINEOVATEは現在、CKDおよび心不全をそれぞれ対象とした第Ⅲ相臨床試験12試験で構成されています。THUNDERBALL CKDプログラムは、完了した第Ⅲ相臨床試験であるFIDELIO-DKD、FIGARO-DKD、FIND-CKD、FINE-ONEおよび第Ⅱ相臨床試験CONFIDENCEに加え、進行中の小児患者集団を対象とした第Ⅲ相臨床試験FIONAおよびFIONA-OLEで構成されています。一方、心不全のMOONRAKERプログラムには、完了した第Ⅲ相臨床試験FINEARTS-HFに加え、進行中の研究者主導共同試験であるREDEFINE-HF試験、CONFIRMATION-HF試験およびFINALITY-HF試験、さらに進行中の小児患者集団を対象とした第Ⅲ相臨床試験であるFIOREおよびFIORELLOが含まれています。

【INFINITYについて】

INFINITYは、第Ⅲ相臨床試験(FIDELIO-DKD、FIGARO-DKD、FIND-CKD)の事前規定された統合解析で、2型糖尿病を合併するCKDおよび多様な非糖尿病性の基礎疾患を有するCKD患者14,500人超を対象としています。

 

INFINITYでは、腎不全、心血管イベントおよび高カリウム血症のリスクが異なる糖尿病性・非糖尿病性CKDの多様な患者集団において、フィネレノンの腎および心血管エンドポイントならびに安全性への影響が評価されました。主要腎複合エンドポイントは、腎不全、またはベースラインと比較した57%以上の持続的なeGFR低下で、これは血清クレアチニン値のおおよそ倍化に相当します。腎不全は、eGFRが持続的に15 mL/分/1.73 m²未満に低下した場合、慢性透析の導入または腎移植の実施と定義されています。

 

さらに、評価項目には、腎不全単独、主要心血管複合エンドポイント(心不全による入院または心血管死)、主要心腎複合エンドポイント(57%以上の持続的なeGFR低下または腎不全、心不全による入院または心血管死)が含まれています。

■ 主な結果の概要

INFINITYには、CKD患者14,574人が組み入れられました[平均年齢63.7歳、平均eGFR 56.4 mL/分/1.73 m²、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)中央値567mg/g]。

  • 主要腎複合エンドポイント(腎不全または57%以上の持続的なeGFR低下):フィネレノンはプラセボと比較してリスクを24%低下[HR 0.76(95%CI:0.68-0.86;p<0.0001)]
  • 腎不全単独:フィネレノンはリスクを15%低下[HR 0.85(95%CI:0.74-0.99;p=0.030)]
  • 主要心血管複合エンドポイント(心不全による入院または心血管死):フィネレノンはプラセボと比較してリスクを20%低下[HR 0.80(95%CI:0.70-0.91;p=0.0006)]
  • 主要心腎複合エンドポイント(ベースラインから4週間以上持続する57%以上のeGFR低下または腎不全、心不全による入院または心血管死):[HR 0.77(95%CI:0.70-0.85;p<0.0001)]
  • フィネレノンは以下のリスクも低下
    • 心不全による入院[HR 0.78(95%CI:0.66-0.92;p=0.0024)]
    • 心血管死[HR 0.82(95%CI:0.67-0.999;p=0.049)]
    • 全死亡[HR 0.88(95%CI:0.79-0.99;p=0.026)]
    • 透析導入または腎移植[HR 0.77(95%CI:0.64-0.94;p=0.0089)]
       

事前規定されたサブグループ解析において、血糖状態(糖尿病性および非糖尿病性CKD)、腎疾患の原因、ベースラインのeGFR、ベースラインのアルブミン尿およびSGLT2阻害薬の使用有無にかかわらず、フィネレノンの治療効果が一貫して認められました。

 

統合解析INFINITYにおいて、糖尿病性および非糖尿病性CKDという多様な患者集団におけるフィネレノンの忍容性は良好で、フィネレノンの安全性プロファイルはこれまでの報告と一致しています。 

【CKDについて】

CKDはよく見られる疾患ですが、死に至る危険があることはあまり認識されていません。CKDの進行は静かで予測不能であり、進行するまで多くの症状は現れません。CKDは世界的に重要な健康課題の一つであり、世界のCKD患者数は8億5,000万人です。死因の第9位で年間150万人が死亡しており、これは20秒に1人が死亡している計算となります。米国では成人の3人に1人がCKDのリスクを抱えています5。CKDが進行すると、患者さんは命をつなぐために透析や腎臓移植が必要になる場合があります。健康な腎臓は体内のフィルターとして機能し、血液から老廃物を取り除きます。また、体内の水分や電解質のバランスを調整し、血圧を調節する役割も担っています。腎機能が低下すると、患者さんには下肢のむくみ、日中の倦怠感、吐き気、筋けいれん、関節痛、混乱、集中力の低下、記憶障害など、さまざまな症状が現れる可能性があります。CKDの主な基礎疾患としては、糖尿病、高血圧、IgA腎症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症などの糸球体疾患が挙げられます。


※フィネレノンの日本における効能・効果のうち「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」について: 日本人部分集団では、第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKDの主要評価項目の複合エンドポイントにおいて、フィネレノンのプラセボに対するハザード比は0.91であった一方で、同試験の主要評価項目の構成要素の腎不全、および第III相臨床試験FIGARO-DKDの副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、フィネレノンのプラセボに対するハザード比が1を上回りました。試験の対象となった全体集団と比べて日本人ではフィネレノンの腎不全への進展抑制効果が弱い可能性があります。

References:

1. Neuen BL et al. Lancet. 2026 Jun 5. doi:10.1016/S0140-6736(26)01009-3.
2. Jager KJ, et al. Kidney Int. 2019;96(5):1048-1050.
3. GBD 2017 Disease and Injury Incidence and Prevalence Collaborators. Lancet. 2018;392(10159):1789-1858
4. Ortiz A et al. Nephrol Dial Transplant. 2026 Feb 25. doi:10.1093/ndt/gfag040.
5. National Kidney Foundation. Kidney Risk Toolkit. Accessed Jun 5, 2026.

循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて

バイエルは循環器領域のリーダーであり、革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて取り組んでいます。バイエルのポートフォリオを心臓病に対する精密医療へと転換させ、循環器疾患による大きな負担に対処して長期的な成長を促進することにより、今後の循環器市場における未来を切り開くことを戦略としています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年6月11日、大阪

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