米国食品医薬品局(FDA)、HER2遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者さんの一次治療としてセバベルチニブを優先審査対象に指定

  • 循環器・腎・代謝領域

本資料は5月18日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • 米国FDAは、アンメットメディカルニーズに対応する可能性を評価し、セバベルチニブを優先審査に指定。優先審査は、承認された場合、重篤な疾患の治療、診断または予防において安全性または有効性の大幅な改善が期待される医薬品の評価に適用される制度1
  • セバベルチニブの一次治療としての承認申請は、進行型HER2遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とした進行中の第I/II相SOHO-01試験の結果に基づく
  • 2025年12月、米国FDAおよび中国医薬品評価センター(CDE)は、アンメットメディカルニーズの高い領域において既存治療に対する有意なベネフィットの可能性が認められたことから、HER2遺伝子変異陽性NSCLC患者の一次治療としての開発を加速する目的で、セバベルチニブをブレークスルーセラピーに指定
  • 2025年11月、セバベルチニブは商品名Hyrnuo™として、治療歴のある進行型HER2遺伝子変異陽性NSCLC患者さんを対象に、米国FDAより迅速承認を取得

ベルリン、2026年5月18日 ― ドイツ・バイエル社は本日、セバベルチニブについて、「成人のヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(human epidermal growth factor receptor 2: HER2)遺伝子変異を有する局所進行又は転移性非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer: NSCLC)」の一次治療として、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)より優先審査に指定されたことをお知らせします。

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「今回のセバベルチニブに対するFDAの優先審査指定は、プレシジョンオンコロジーへの当社のコミットメントを示すとともに、HER2遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにおける重要なアンメットメディカルニーズへの対応に向けた重要なマイルストーンです。HER2遺伝子変異を有するNSCLCの患者さんにおいては現在、治療選択肢が限られており、生存転帰の改善に向け、疾患の早期の段階で使用可能な、より有効で忍容性の高い治療法が求められています」

 

今回の申請は、進行中の第I/II相SOHO-01試験(NCT05099172)2のコホートF(未治療の被験者)から得られた予備的臨床エビデンスに基づくものです。本試験では、HER2遺伝子変異を有する局所進行または転移性NSCLCの被験者を対象に、セバベルチニブの有効性および安全性が評価されています。

 

2025年11月、セバベルチニブは商品名Hyrnuo™として、治療歴のある進行型HER2遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の治療薬としてFDAより迅速承認を取得しました。本承認は、SOHO-01試験により示された進行型NSCLC患者における客観的奏効率(objective response rate: ORR)および病勢進行までの期間(duration of response: DOR)のデータ(コホートD:HER2標的治療未治療の既治療患者、コホートE:HER2標的抗体薬物複合体による前治療歴のある被験者)に基づくものです。さらに中国においても、国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration: NMPA)より、全身治療中または治療後に病態進行したHER2活性化変異を有する切除不能な局所進行または転移性NSCLCを対象に、単剤療法として承認されています。

【セバベルチニブについて】

セバベルチニブは、経口投与可能な可逆的チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であり、HER2エクソン20挿入変異やHER2変異を含む変異型HER2および変異型上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor: EGFR)を強力に阻害し、野生型EGFRに対して高い選択性を示します。セバベルチニブは、がん細胞の成長に関連するチロシンキナーゼと呼ばれる特定の酵素を阻害することによって作用します。可逆的TKIは、標的を一時的にブロックすることができるため、治療のより正確なコントロールが可能であり、不可逆的TKIと比較して長期的な副作用を軽減する可能性があります。

 

セバベルチニブは、米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学、ハーバード大学のブロード研究所とバイエルの戦略的研究提携の成果です。

 

臨床開発プログラムの一環として、セバベルチニブはSOHO-01試験に加え、現在進行中の第III相SOHO-02試験(NCT06452277)では、HER2遺伝子変異を有する進行NSCLC患者に対する一次治療選択肢としてセバベルチニブが評価されています。セバベルチニブは、進行NSCLCを除くHER2遺伝子変異を有する転移性または切除不能な固形腫瘍患者においても、panSOHO試験(NCT06760819)で評価されています。

【非小細胞肺がん(NSCLC)について】

肺がんは世界的に最も死亡率が高いがんです。NSCLCは全ての肺がんの約85%以上占める最も一般的なタイプです。NSCLC患者さんの約2%から4%がHER2遺伝子変異を有すると推計されています。NSCLCを有する患者さんのうち、約80%はがんが既に進行したステージに進んでおり、治療が難しくなっています。HER2遺伝子変異を有するNSCLC患者さんは治療法が限られており、新たな治療選択肢が必要とされています。

References:

1. U.S. Food and Drug Administration. “Priority Review.” https://www.fda.gov/patients/fast-track-breakthrough-therapy-accelerated-approval-priority-review/priority-review. Accessed April 2026.
2. N. Girard, H.H.F. Loong, B-C. Goh et al. 30: Phase I/II SOHO-01 study of BAY 2927088 in patients with previously treated HER2-mutant NSCLC: Safety and efficacy results from 2 expansion cohorts, Journal of Thoracic Oncology, Volume 20, Issue 3, Supplement 1,2025,Pages S5-S6,ISSN 1556-0864. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1556086425001984.

バイエルのオンコロジーについて

バイエルは、革新的治療のポートフォリオを充実させることで、Science for a better lifeをお届けできるよう取り組んでいます。バイエルには、がんと共に生きる人々の生活の改善と生存期間の延長に役立つ新薬を開発する情熱と決意があります。バイエルのオンコロジーフランチャイズには、さまざまな適応症を持つ複数の製品と、臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物があります。当社は、腫瘍細胞の内因性経路、標的核医学治療、いくつかの次世代腫瘍免疫学などの分野で豊富な専門知識を有しています。当社は、副作用を抑えながら生存期間を延長することを目標に、早期から転移期までの前立腺がん治療を推進しています。バイエルは革新的なプレシジョンオンコロジー治療薬に注力しており、その一環として、腫瘍の増殖と転移を促進する発がん性因子であるNTRK融合遺伝子を有する腫瘍の治療に特化したTRK阻害剤が承認されています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年5月29日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。